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日光市(旧今市)の住宅街にたたずむ事業所「はばたき」は、障がい者の就労支援をはじめとする障がい者の社会参加を促進する取組などを行うNPO法人です。障がいを持った方がイキイキと働く場「はばたき」についてご紹介します。
■ 施設ではなく事業所、利用者ではなく従業員
若いころから福祉一筋で働いてきた代表の広瀨氏は、障がい者施設に勤務していた頃、多くの障がいを持った方から「働きたい」との声を受けていました。その思いに応えるため、障がいの種別に関係なく就労にスポットをあてた支援をしたいと考えていました。
平成15年に、企業の事業所を間借りし、福祉の仲間20人がボランティアで活動を始めたのが「はばたき」の前身です。同年10月にNPO法人格を取得、その後、障がい者の就労支援を目的に、障害者自立支援法の就労継続支援B型事業所としてスタートしました。
障がいが違っても、働くということはみんな一緒。働ける環境を整えることで、みんなが個性を出し合い、その個性をいかしながら、楽しく働くことができる。と広瀨さんは言います。
また、施設ではなく事業所、利用者ではなく従業員と話す広瀨さん。この言葉に込められた思いには、強い信念があるようです。はばたきで働く皆さんに対しても、「事業所で働く従業員と思ってほしい。」と伝えているとのこと。
「はばたき」で働く皆さんの真剣に取り組む姿から、「ここは働く場」という広瀨さんの思いが浸透しているように感じます。
■ 障がい者の就労支援に関するプラットフォームを作る
障がい者を取り巻く就労環境は、不況による受注減等により非常に厳しく、どこの事業所でも同じ課題を抱えています。
この課題解決の糸口として、平成21年に就労情報センターを立ち上げ、利用者の工賃アップを目指し、新しい取組として力を入れています。同センターでは、行政・企業からの仕事の依頼と、障がい者の働きたいという思いをつなぐため、障がい者の就労に関する情報を一元化し、相談に応じています。
また、行政や企業からの仕事を市内に10ヶ所ある事業所が共同で受注できるよう、共同受注システムを構築し、その仲介を行っています。
この事業を通して、市内の事業所間の交流が生まれただけでなく、行政や企業との協力連携等、地域のネットワークが拡がり、障がい者の働く機会(社会参加)を地域全体で支えています。まさに障がい者の就労支援に関するプラットフォームを担う、地域に根ざしたはばたきの活動に今後も期待が高まります。
広瀨さんが目指す、就労を通して、障がいを持った方が社会参加できること。その思いがカタチとなり地域にひろがりつつあることを実感します。(文・土谷)
団体について
特定非営利活動法人 はばたき
〒321-1272 日光市今市16-9
TEL/FAX 0288-21-3365
http://www.bbweb-arena.com/users/habataki/
1) 障がい者に対する就労に向けた作業訓練 ・ドアノブ部品の組み付け及び袋詰め作業 ・段ボール補修作業・線香の箱詰
2) 障がい者に対しての就労に関する相談事業
3) 福祉施設に対しての作業受注に関する協力事業
4) 福祉関係の知識の普及 地域住民の方々を中心に、福祉関係の研修会等を行う。
5) 他団体との交流事業
とちコミ運営委員のコメント
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ひとを巻き込む力と行動力が人一倍ある広瀨さん、その魅力は、一度お会いするとすぐにわかるはずです。広瀨さんのまわりには自然と人が集まり、支えてくれる方が大勢いる。そんな印象を受けますが、やはり普段から人とのつながりを大事にしているからこそのようです。そういった日々の積み重ねなど、組織運営においても大事なことをたくさん教えてくれます。組織運営に困ったら…広瀨さんにお会いすると解決へのヒントを見つけられるかもしれません。